“RISE GIRLS POWER.5” 寺山日葵 vs 小林愛三 試合結果振り返り< 女子キックボクシング >

キックボクシング中毒

 後楽園ホールでなんと26年ぶりに行われる女子キックボクシング大会”RISE GIRLS POWER.5″のメインイベント『 寺山日葵 vs 小林愛三 』という、キックボクシング国内女子最強決定戦の予想を前回ブログにアップいたしました。

 予想内容は、「小林選手の延長4R判定勝ち」としていましたが、実際の結果は「寺山選手の3R判定勝ち」でした。

 今回は、この結果を踏まえて、『 寺山日葵 vs 小林愛三 』戦の振り返りと、また大会全体の感想などに触れていきたいと思います。

 お初の方へ向けて、本内容の著者の簡単な自己紹介です♪

トット
トット

本ブログの著者、トットといいます。地方在住の会社員ですが、キックボクシング観戦歴20年超、そしてアマチュアキックボクシング歴15年(現在もジムワーク継続中)。アラフィフのキックボクシング中毒おじさんです♪

 ・・・というわけで、さっそく振り返っていきましょう!

目次

『 寺山日葵 vs 小林愛三 』戦の試合経過<”RISE GIRLS POWER.5″>

 入場式の表情ではリラックスムードの寺山選手。リング用でも柔らかな表情で、ときおり笑顔を見せていた。

 対して、入場式の際は終始、引き締まった表情を崩さなかった。小林選手。

 この対照的な表情が、試合内容にどのような影響を与えるんだろう?

1Rの展開:中間距離での差し合い。圧力で小林選手、手数で寺山選手

 序盤から小林選手が前進して、圧力をかける展開。寺山選手は下がりながらもジャブ、ストレート、ローキック、前蹴りと使い分けた攻撃をテンポよく出しつつ、自身の距離をキープする展開。

 事前の予想でも書いた通り、中間距離での差し合いが続く。長い距離の攻撃とその手数でヒット数は寺山選手優勢だが、圧力では小林選手。しかし、お互いにBIGヒットはほとんどなく、今のところ互角といっていい内容。

 著者採点は10-10のイーブン。

2Rの展開:1Rと同様の展開が続くが、前のめりな分、クリンチが多めに

 小林選手は1Rより圧を強めて前進するが、その分寺山選手は主にパンチの手数を増やして対応。小林選手が寺山選手の間合いに入り込むタイミングは増えたが、その分クリンチが増えて有効な打撃の交換には至らない。

 中盤過ぎに、小川レフリーからお互いにクリンチに対してのイエローカードが出されるが、それ以降の展開に関しても「圧をかけて強い一発を振る小林選手と、それを手数とレンジコントロールの巧みさで裁く寺山選手」という構図は変わらない。

 著者採点は10-10のイーブンだが、ダメージ的な差はないものの若干、寺山選手の上手さの方が目立つ印象。ジャッジによっては寺山選手に付ける人もいるかなー、という感じ。

3Rの展開:2Rまでと展開は変わらないが、寺山選手の上手さの方が目立つ!

 2Rからさらに圧を強め、単発気味ながらも重そうなパンチと蹴りを振るう小林選手。しかし、しっかりと距離を取りつつ蹴りとパンチ、パンチと蹴りのコンビネーションのバリエーションをさらに増やして対応する寺山選手。

 小林選手からパンチで顔を跳ね上がるようなクリーンヒットをとる寺山選手だが、小林選手の前進は止まらない。しかしの前進をBIGヒットには繋げられない。

 後半では一部、寺山選手がパンチ中心のコンビネーションで前に出る場面も。しかし、小林選手のブロックもしっかりしていて、大きなダメージの残るような攻撃はもらわない。

 最後の30秒の時間でお互いが積極的に手を出す「スクランブル状態」も現れるが、目覚ましいクリーンヒットはお互いに出ず、3R終了のゴングが鳴った!

 著者採点は、しっかり距離のコントロールをしつつ、多めのクリーンヒットをとった寺山選手が10-9で取ったように思えました。とはいえ明確な差は付けづらく、ドローでもおかしくない内容でした。

判定は、2-0で寺山選手の勝利!

 ジャッジは3人のうちの一人が29-29のイーブンを付けるも、残り2者が28-28を寺山選手に付けるという結果となりました。

『 寺山日葵 vs 小林愛三 』戦の感想<”RISE GIRLS POWER.5″>

 自分の採点では30-29で寺山選手の勝利としましたが、とはいえ明確なダメージ差はなく、ドローで延長1Rもあるかなーという内容でした。

 とはいえ、仮に延長になったとしても、小林選手の再三再四のアタックを引き続き、巧みな間合い調節とパンチとキックのバランスの良い手数で寺山選手が捌き続ける展開が続くんだろうなー、と予想します。

 寺山選手は以前と比べてパンチの手数が増え、コンビネーションが巧みになった印象。以前はもっと蹴りに偏重していて、パンチもストレート系の単発が多かったように感じていたんだけど、更なる深化を感じました。

 小林選手は、前進に続く前進で寺山選手に圧をかけ続け、勝利への執念をもの凄く感じました。普通の選手ならこの圧に耐え切れず、疲弊した結果の鬼ラッシュに飲み込まれてしまうんでしょうね。

 しかし、寺山選手はしっかり距離を保って、そしてただ距離を保つだけではなくてしっかり手数を出して自身の攻勢を印象付けていたのが凄いなーと感心。

 自分の事前の展開予想だと、小林選手が早い段階からスクランブル状態に持ち込んで、そのプレッシャーと一発の重さで寺山選手を削るんだろうと考えてました。

 実際、小林選手のプレッシャーは相当なもんなんだろうけど、寺山選手はそれに屈せず、軸を保った状態で終始対応出来てたという点が、自分の予想が外れたポイントかなーと。

 軸が崩れないからこそあの手数、足数が出るし、またロープ際に詰められそうなときはしっかり横にステップを踏んで展開をリセットしてたのが、うまいなーと思いました。

 今回の試合はabemaTVでのライブ観戦だったのですが、解説に入っていた元RISE女子アトム級王者の紅絹さん(現在は選手を引退。寺山選手と2回対戦)がその中で、

「寺山選手が身長も高くてリーチも長いけど、その印象を超えてさらに遠い距離を感じる」

とのコメントをしてました。特にパンチは、「肩甲骨を使った長いパンチを出している」とも。

 自分もアマチュアながらキックの練習をしてるからわかるんですが、パンチを出す際、肩甲骨を前方にスライドさせるイメージでパンチを出すと、若干リーチが伸びるんです。

 そういう細かいディテールの技術もしっかり使って、距離のコントロールに活かしてるんですよね。しっかり技術を磨いてる点も、こういうところからも窺い知ることができます。

 今夏の試合は正直なところ、期待していた「めちゃめちゃスイングした熱戦」、とはなりませんでした。けど、小林選手と寺山選手の持ち味が高いレベルでぶつかり合った、好試合でした!

その他、他試合などの所感など<”RISE GIRLS POWER.5″>

 第5試合「平岡琴VS奥脇奈々」

この大会の個人的ベストマッチは、第5試合の「平岡琴VS奥脇奈々」。両選手とも4連敗中で、勝ち星に飢えている者同士。その気迫が全編を通して感じられた、お互いの手数が止まらない好試合でした。

 平岡選手は「2014年全日本女子ウェイト制空手道選手権軽量級優勝」の実績を持つ、後ろ回しなどの回転系の蹴り技が得意な空手家。

 かたや奥脇選手は、「Bigbang女子45kg王者」にして腰のしっかり入った重い蹴りを得意とするムエタイ系選手。

 空手とムエタイという風にバックボーンは違えでも、お互い蹴りを得意とする選手同士の闘いだったのですが、ふたを開けてみればバチバチの殴り合い!一歩も引かない拳の交換の合間に、奥脇選手は重量感のある右のローキック、平岡選手はハイキックや三日月蹴りを絡めて、1Rから見ごたえがある攻防に。

 2Rからは平岡選手がじわじわと主導権を取り始め、中盤にはバックスピンキックを奥脇選手の腹に当て、そこからのパンチラッシュで明確な優勢。続く3ラウンドも倒しにかかる平岡選手のパンチ、ローキック、バックスピンキックのラッシュでかなりのダメージを受けながらも必死にパンチとローを返し続けた奥脇選手。

 最終的には平岡選手が明確にダメージを与えての勝利となりましたが、必死に立ち続けて攻撃を返す奥脇選手のど根性に、心を打たれました!

第6試合「 AKARI VS YAYAウィラサクレック 」

 AKARI選手は、前回試合で寺山選手の王座に挑戦して敗れるまでは無敗だった17歳の女子高生ファイター。長身と長い手足を活かしたバランスの良い攻撃と見切りの良さで、その若さに見合わない安定した実力の持ち主。

 かたやYAYA選手は、年齢は34歳とAKARI選手と倍は離れているも、強靭なフィジカル、そしてムエタイ選手らしからぬ回転の速いパンチラッシュでの乱打戦が得意なアグレッシブファイター。

 私個人の事前の試合予想では、序盤はYAYA選手のラッシングパワーにてこずれつつも中盤以降にそれを見切ったAKARI選手が着実にポイントをとって判定勝ちとの見立てでしたが、リーチに勝るAKARI選手が1R序盤から得意の前蹴りやストレート系のパンチがYAYA選手の芯を捉え、優勢に。

 更に序盤で足を痛め踏ん張りの効かなくYAYA選手に左ストレートそして前蹴りでそれぞれダウンを奪ったところでレフリーストップとなり、負傷TKOでAKARI選手が勝利。

(※足を痛めたタイミングとしては、コーナー際でAKARI選手の前蹴りをもろに受けたときに踏ん張ったとき、もしくはローキックを膝で受けられた際の自爆、このいずれかのような気がします)

 おそらく、足の負傷がなかったとしてもおそらく最初から最後までAKARI選手が自分の距離を保って攻撃を当て続け、階級上のJ-girlsスーパーフライ級王者をワンサイドゲームで勝ったんじゃないかなーと予想できるくらい、実力に差があったように感じました。

 そして、まだ17歳。。。ただ、狙う先である寺山選手もまだ二十歳。ライバル関係はまだ続く感じになりそうです。

セミファイナル「 宮崎小雪 VS 伊藤紗弥 」

 宮崎選手は今年3月に紅絹選手を破って、 RISE QUEENアトム級(-46kg)王者となった若干18歳。早いステップワークと蹴りパンチ共にバランスの良い手数と攻撃力を誇る。

 かたや伊藤選手はミドルキックを中心に試合を組み立てるムエタイ系の団体で4回のチャンピオン経験を持つ実績を持つムエタイファイター。ジュニア時代は女子では敵う相手がいなくて、男子選手を相手にしても勝ち星を重ねてきており、あの那須川天心選手とも対戦経験がある。

 宮崎選手はステップワークからのローキックをきっかけにパンチラッシュを狙い、かたや伊藤選手はミドルを中心に組み立てるが、試合の均衡は崩れないまま、判定→ジャッジは三者三様で延長Rに突入するも、やはり両者決定的な場面は生まれず。手数のヒット数が評価されて宮崎選手の判定勝利。積極性及びパンチの採点比重の重さから判定の結果には納得がいく内容。

 伊藤選手は随所に垣間見える崩しの技術や、しっかり腰が入りつつスピードのあるミドルキックをしっかり当てれてはいたものの、このルールで上を目指すにはパンチの技術ならびに手数が欲しいところ。

abemaTVのアタックカウンターについて

 今回、abemaTVのキックボクシング中継においてはじめて、それぞれの選手のパンチおよびキックのヒット数を計測する「アタックカウンター」が導入されました。

 このアタックカウンターに関して自分の見立てとしては、

①空振りおよびブロックされた攻撃はカウントされない。

②あくまでヒット数をカウントするだけなので、その有効性(強弱および急所を捉えたか)までは判定されてない。

 という感じでした。今回の寺山選手VS小林選手の試合においても、ヒット数は全ラウンドを通して寺山選手が多かったという点は、このカウンターのおかげで分かりやすかったですね。

 ただ試合の主導権を握るか握らないかという点は、ヒット数だけでなくそれぞれの攻撃の「一発の重さ」だったり、「どちらが圧力をかけているか?」だったりとか、数値として表せない部分もたくさんあるものなので、あくまで「一つの参考材料」として、重視も軽視もせず見る必要があるなーと感じました。

 とはいえ、こういう数字をデータにして表す取り組みって、ボクシング中継だとすでにやっていたりしている部分だったし、また試合自体をより面白く見るためにはすごくプラス要素だったのは間違いないです。

 また、この取り組みを続けていけば、事前予想などを行う際も過去のデータなどを引っ張ってくることでより充実度の高い解説にも繋がるので、ぜひ今後も続けて欲しいです!

・・・というわけで、『 寺山日葵 vs 小林愛三 』戦の感想を中心に、”RISE GIRLS POWER.5″を語りました。

 これからも引き続き、RISEやK-1などのキックボクシングを中心に、記事を追加していこうと考えております。9月20日(月)にはK-1で第2代ウェルター級トーナメント、9月23日(木)はRISEで那須川天心出場の大会もおこなわれます。ホント楽しみですね!

 でわでわ!

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